リアクトル始動法とは?電気用語をわかりやすく解説
家電を知りたい
『リアクトル始動法』について教えてください。
家電製品マニア
かご形電動機にリアクトルを直列に接続し、始動後、リアクトルを外すことでモーターを始動させる方法です。
家電を知りたい
始動後のリアクトルを外すのはなぜですか?
家電製品マニア
リアクトルはモーターの始動時に電流を制限するために使用されます。始動後は、モーターの回転数を安定させるためにリアクトルを取り外します。
リアクトル始動法とは
「リアクトル始動法」と呼ばれる家電用語があります。これはかご形電動機の始動時にリアクトルを直列に接続する方法です。電動機が動き始めたらリアクトルを取り外します。
リアクトル始動法の仕組みと効果
リアクトル始動法とは、モータを始動させる方法のひとつです。モータを始動すると、電流が急増します。この急増した電流は、モータの回路に過電流を発生させ、モータや回路の損傷につながる可能性があります。 リアクトル始動法では、モータの始動時にリアクトルと呼ばれるコイルを回路に接続します。リアクトルはインダクタンスを持っているので、電流の流れを制限することができます。これにより、モータへの電流急変を抑え、過電流の発生を防ぐのです。リアクトル始動法は、大型モータや負荷が重いモータの始動に適しています。
リアクトル始動法のメリット
リアクトル始動法のメリットには、次のようなものがあります。
始動電流の低減
リアクトルを使用することで、始動時に流れる電流を低減できます。これにより、電気回路への負荷を軽減し、過電流による機器の損傷を防ぎます。
始動トルクの向上
リアクトルは、始動時に発生するトルクを向上させます。これにより、大型モータや負荷の大きな機械の始動を容易にします。
電気回路の保護
リアクトルは、サージ電流や雷サージから電気回路を保護する役割を果たします。過電圧が発生した場合、リアクトルが電流を制限し、回路の損傷を防ぎます。
安定性の向上
リアクトルは、電気回路の安定性を向上させます。変動する負荷の下でも、電圧と電流の安定性を確保し、システムの信頼性を向上させます。
リアクトル始動法のデメリット
リアクトル始動法のデメリットとしては、主に以下のような点が挙げられます。
1.リアクタンスが消費されるリアクトルを回路に挿入することで、インダクタンスが増加し、リアクタンスが消費されます。このため、コイルが過電圧や過電流の影響を受けやすくなります。
2.コストが高いリアクトルは、製造コストが高い電気機器です。また、設置やメンテナンスにも追加費用がかかります。
3.サイズが大きいリアクトルは、大容量になるとサイズが大きくなります。そのため、設置スペースの確保が必要となります。
4.始動時間が長いリアクトル始動法では、モータの始動に時間がかかります。これは、インダクタンスによって電流の立ち上がりが遅延されるためです。
リアクトル始動法の適用例
リアクトル始動法の適用例 リアクトル始動法は、さまざまな産業分野で幅広く利用されています。特に、大容量の電気機器や負荷の始動時の電圧降下を防ぐために有効です。例えば、電動機の始動では、始動時に大きな電流が流れるため、リアクトルを回路に挿入することで電圧降下を抑制することができます。また、変圧器の励磁の際には、リアクトルをインダクタンスとして利用することで、励磁電流の大きさを制御し、電圧安定性を確保することができます。さらに、静止型コンバーターの始動でも、リアクトルが突入電流の抑制に役立ちます。
リアクトル始動法の注意点
リアクトル始動法の注意点として、以下の点を考慮する必要があります。
リアクトルの役割
リアクトルは、突入電流による過電流を抑制する役割を果たします。そのため、リアクトルの定格を超える電流を流さないように注意しなければなりません。
リアクトルの種類
リアクトルは、鉄心形リアクトルとエアコアリアクトルの2種類があります。鉄心形リアクトルはエアコアリアクトルよりも突入電流抑制効果が高いため、使用する場合は注意が必要です。
リアクトルのインダクタンス
リアクトルのインダクタンスは、突入電流の減衰速度に影響を与えます。インダクタンスが大きいリアクトルは、突入電流の減衰が遅くなります。
回路の電圧
リアクトル始動法は、電源電圧が低い場合に効果的です。電源電圧が高い場合は、突入電流の抑制効果が低くなるため、注意が必要です。
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