V曲線とは?同期電動機の特性を理解しよう

家電を知りたい
「V曲線」とは何ですか?

家電製品マニア
同期電動機に関する用語で、界磁電流を変化させたときの電機子電流と負荷力率の変化を表したグラフのことです。

家電を知りたい
なぜ「V曲線」という名前なのですか?

家電製品マニア
電機子電流と負荷力率の変化が、V字形の曲線を描くことからその名が付けられています。
V曲線とは。
電力機器の分野で「V曲線」と呼ばれる用語があります。これは、同期電動機を一定周波数、電圧、出力のもとで稼働させたときの、界磁電流の変化に対する電機子電流の大きさや負荷力率の変化をグラフに表したものです。グラフがV字形を描くことからV曲線と呼ばれ、位相特性曲線とも呼ばれます。
V曲線の定義

-V曲線の定義-
V曲線とは、同期電動機を特性を理解する上で重要なグラフです。同期電動機が回転数とトルクの関係を表しており、励磁電流を変化させたときの特性を示します。
V曲線は、横軸が回転数、縦軸がトルクで表現されます。励磁電流が小さいと、回転数が上昇するにつれてトルクも上昇しますが、同期速度(電動機の設計によって決まる定数)付近で最大値に達します。同期速度を超えると、トルクは急速に低下します。
逆に、励磁電流が大きいと、同期速度付近のトルクは上昇しますが、引込トルクの発生によって、同期速度以下でトルクが低下するようになります。引込トルクとは、同期電動機が負荷をかけられて同期速度以下になると発生する、電動機を引っ張るようなトルクのことです。
V曲線の形状

V曲線の形状は、同期電動機の速度とトルクの関係を示します。一般的に、V曲線は逆U字形で、同期速度(定格速度)の近くで最大トルクが発生します。
速度が同期速度よりも低い場合、トルクは速度とともに増加します。ただし、速度が同期速度を超えると、トルクは急激に低下し、ゼロになります。この現象は、同期電動機の同期特性によるものです。つまり、電動機は同期速度で回転するように設計されており、速度から外れるとトルクが低下します。
同期電動機の特性

同期電動機の特性
同期電動機は、回転子が同期速度で回転する機械であるという特徴があります。同期速度とは、電磁界が作成する回転磁界の速度を指します。同期電動機では、回転子が同期速度に追従し、同期して回転します。このため、回転数が常に一定に保たれ、安定した電力供給が可能です。
また、同期電動機には、電圧・周波数制御機能があります。電圧を制御することによって、負荷の変動に合わせた出力調整が行えます。周波数を制御することによって、系統周波数の制御に貢献することができます。
さらに、同期電動機は、無効電力の発生や吸収を行う機能があります。無効電力とは、電磁界のエネルギーを有用な仕事に変換せずに発生する電力です。同期電動機は無効電力を発生または吸収することで、系統の無効電力バランスを調整し、安定化に寄与します。
V曲線を利用した制御

V曲線を利用した制御では、V曲線の特性を活かして同期電動機の速度を制御できます。具体的には、起動時に電圧を下げると電流が増えます。この特性を利用して、電動機のトルクを上昇させ、スムーズな起動を実現します。逆に、運転時には電圧を上げて電流を下げます。このとき、電動機のトルクが低下するため、安定した回転速度を維持できます。また、過負荷時には電圧を低下させて電流を増加させ、電動機を保護することができます。
V曲線の応用例

-V曲線の応用例-
V曲線は、同期電動機の特性を理解する上で重要な指標ですが、実用上の応用場面も数多くあります。
変圧器の電圧制御V曲線の電圧降下率を利用して、変圧器の電圧を制御できます。励磁電流を調整することで、無効電流を発生させて電圧を下げ、負荷変動による電圧変動を抑えることができます。
系統安定性の向上同期電動機の励磁電流を調整することで、V曲線を介して系統の無効電力フローを制御できます。これにより、系統の安定性を向上させ、大規模停電を防ぐことができます。
電動機の始動誘導電動機を始動するためにもV曲線が活用できます。同期電動機を誘導電動機として始動する場合、励磁電流を適切に調整することで、始動トルクを向上させることができます。